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原爆供養塔の鉢を修復 広島市 埋設物取り除き洗浄

 平和記念公園(広島市中区)の原爆供養塔にある献花用の石製の鉢がセメントのようなもので埋められていた問題で、市は20日、修復作業をした。鉢をきれいにした後、慰霊のために線香などを立てられるように内部に砂を敷いた。

 市が委託した石材業者が、表面を覆っていたセメントのようなものを金づちで割って取り除き、洗浄した。鉢の底に水抜きの穴を開けた後、小石を敷いた上に砂を敷き、約7万体の遺骨を納める供養塔を訪れた人が線香やろうそくを供えられるようにした。市原爆被害対策部調査課の住田達哉課長は「年内に元の状態に戻せて安心した。犠牲者の供養の際に大切に使ってほしい」と話した。

 鉢は、鹿児島県鹿屋市の故木場昭春さんが1963年に広島市へ寄贈。同市が所有しているが、鉢の内側が埋められ、表面にろうそく立てとみられる2本の金属製の突起物などがあった。市は今月13日に器物損壊容疑で広島中央署に被害届を提出。無断で加工した人が判明すれば修復費を負担してもらう。(余村泰樹)

(2021年12月21日朝刊掲載)

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