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沖縄の怒り 伝える 「標的の村」 横川シネマ(広島)で上映

 貴重な生態系をはらんだ亜熱帯林の広がる沖縄本島北部で、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイなどが使うヘリパッドの建設が進む。広島市西区の横川シネマで上映中の「標的の村」は、建設に反対する住民の闘いと怒りを捉えたドキュメンタリーだ。

 ギャラクシー賞優秀賞などに輝いた琉球朝日放送(那覇市)制作のテレビ番組を、劇場公開用に再編集した。

 地元の自然を愛し、戦争への加担を拒んで建設阻止の運動を続ける沖縄県東村高江の住民たちに取材。一帯の米軍演習地には、ベトナム戦争時に「ベトナム村」が造られ、住民が村人の役をさせられた。「もうこりごり」と工事車両の前に座り込む人々を、日本政府は「通行妨害」と裁判に訴える。

 昨年9月、オスプレイ配備を前に米軍普天間飛行場の門を封鎖した住民の座り込みと、強制排除の光景も伝える。「沖縄の声」が届きにくい本土の人にこそ見てほしい―との願いが脈打つ。

 三上智恵監督作品。91分。上映は10月11日までの予定。横川シネマTel082(231)1001。(道面雅量)

(2013年9月16日朝刊掲載)

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