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はだしのゲン閲覧制限問題 「図書館規制 権利なし」 日図協委員長が講演

 松江市教委による漫画「はだしのゲン」の閲覧制限問題を受け、日本図書館協会(日図協)図書館の自由委員会の西河内靖泰(にしごうち・やすひろ)委員長(59)=滋賀県多賀町立図書館館長=が16日、松江市で講演した。「どんな資料であれ図書館には規制する権利はない」と閲覧制限を批判した。

 島根県教組の主催。西河内委員長は、教員や司書計約70人を前に、日図協が1954年に採択、79年に改定した図書館の自由宣言を紹介。図書を閲覧させることについて「市民が抗議する権利はある」とする一方、「図書館が受け止めることは大事だが、従ってはならない」と閲覧制限に従った小中学校の責任を指摘した。

 また「図書館が熟慮した結果ならまだしも、今回は市教委が2度も『お願い』したのが駄目だった」と市教委の要請が強制力を伴った点も追及した。

 市教委が制限の論拠とした子どもへの教育的配慮は「親が考えるべき問題」とし、一律に制限を求めた市教委の姿勢を疑問視した。

 西河内委員長は講演後、10月に市教委を訪ね、問題の経過説明を受ける計画を明らかにした。(樋口浩二)

(2013年9月17日朝刊掲載)

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