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軍縮大使 核廃絶に意欲 広島で市長・知事と会談

 スイス・ジュネーブにある軍縮会議日本政府代表部のトップに7月就任した佐野利男大使(61)が18日、広島市役所で松井一実市長と会談した。核兵器廃絶に向けた被爆国日本のリーダーシップ発揮に意欲を見せた。

 軍縮大使は核軍縮をめぐるさまざまな国際会議で最前線に立つ。4月にジュネーブであった核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会で、約80カ国が賛同した「核兵器の人道的影響に関する共同声明」に日本は「安全保障政策と相いれない」と加わらなかった。

 これに関連し、松井市長は会談で「平和推進のため主体性を出してほしい」と要望。佐野大使は「一生懸命やる」と述べ、10月の国連総会第1委員会(軍縮)でまとめられるとみられる次の共同声明への賛同に向けた調整に意欲を示した。

 さらに「東アジアの情勢は厳しいが、軍縮を進めることは国家間の信頼醸成につながる。被爆地の広島、長崎と協力しながら取り組むことが日本の力にもなる」と述べた。

 佐野大使は続いて広島県庁を訪ね、湯崎英彦知事と会談した。(田中美千子、野崎建一郎)

(2013年9月19日朝刊掲載)

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