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島根1号機 中電、評価書提出へ 28日まで 来春で運転開始40年

 中国電力は19日、来年3月に運転開始40年を迎える島根原子力発電所(松江市鹿島町)1号機について、40年を超える運転に必要な高経年化技術評価書を28日までに原子力規制委員会へ提出することを明らかにした。

 中電は「1号機の廃炉計画はない」との考え。「規制委の求めに従い提出するが、再稼働の見通しは未定」としている。

 評価書は、運転開始30年目の前年から10年ごとに、原子炉の劣化度合いを検査して提出するよう規制委が求めている。1号機は40年となる1年前のことし3月28日が提出期限だったが、7月施行の新規制基準に対応させるため半年間猶予されていた。全国の運転30年以上の原発が停止しているのを踏まえ、新基準では冷温停止時の安全性チェックも課され、中電は提出する評価書に反映させる。

 40年以上の運転にはさらに「特別点検」の提出も必要となる。原子炉圧力容器のひび割れなどを超音波で調べる検査で、クリアすれば1度に限り最長20年間運転を延長できる。ただ、規制委の田中俊一委員長は「(延長は)相当困難」との考えを示している。(樋口浩二)

島根原発1号機
 国産第1号の原発として1974年3月に運転を開始。沸騰水型の軽水炉で出力46万キロワット。総工費約393億円。原子炉機器の点検不備問題を受け、2010年3月に運転を停止。そのまま同年11月に定期検査入りし、約3年半停止している。

(2013年9月20日朝刊掲載)

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