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被服支廠 「観光や文化利用は」 中区 市民ら活用策考える

 広島市南区にある最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」の活用策を考える会合が26日、中区の原爆資料館であった。大学生や市民団体の代表たち計3人が活用策を提案し、市民約50人が聞いた。

 崇徳高(西区)の新聞部で被服支廠を取材した早稲田大1年高垣慶太さん(19)=東京=は「生存する被爆者がいなくなった後も、広島の被爆や戦争の歴史を伝え続けてくれる施設」と強調。全4棟のうち1棟をそのまま保存し、残る3棟はコンサートや会議用のホールのほか、非政府組織(NGO)が事務所を構えたり、観光客が訪れたりできる施設にする案を示した。

 市民団体「広島文学資料保全の会」の土屋時子代表(73)=中区=は、戦争博物館や文学館、美術館としての活用案に加え、国連の事務所の誘致案も提示した。ビデオメッセージで神戸の大学院生も案を寄せた。

 会合は、全4棟の保存を訴える市民団体「旧被服支廠の保全を願う懇談会」が、10月に続いて開いた。県は5月、所有する被服支廠3棟を耐震化する方針を決定。残る1棟を所有する国も、強度を調べて安全対策を取る方針でいる。(小林可奈)

(2021年12月27日朝刊掲載)

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