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[ヒロシマの空白 証しを残す 惨禍の記録] 被爆直後の写真 大幅追加 本社 サイトに新コンテンツ

 中国新聞社は3日、原爆被害の実態に迫る重点企画「ヒロシマの空白」のウェブサイトを刷新し、新たなコンテンツ「惨禍の記録」を設けた。被爆直後の写真を大幅に追加し、原爆投下で街や営みが破壊された広島の惨状を伝える。被爆前の写真を中心に載せてきた従来の「街並み再現」と併せ、核兵器の非人道性を伝えていく。

 「惨禍の記録」を加えるなどリニューアルしたサイトでは、1945年8月6日以降に市中心部などで撮影された100枚以上を追加。焼け野原になった市街地のほか、県産業奨励館(現原爆ドーム)や本通り商店街、福屋百貨店、広島城跡などの写真を載せている。

 そのうち撮影者14人の写真については、中国新聞の連載や特集を基に撮影の背景や撮影者の体験に迫る記事も紹介。中国新聞社のカメラマンだった松重美人さん(2005年に92歳で死去)が8月6日当日に市民の惨状を捉えた写真も含まれる。市教委は昨年3月にネガフィルムを重要有形文化財に指定している。

 新たにサイトに載せた写真は、松重さんも立ち上げに携わった「広島原爆被災撮影者の会」のメンバーによるカットや、原爆資料館への近年の寄贈資料などが中心になっている。今後も取材や連載記事に合わせて写真や記事を加えていく。

 リニューアルは中国新聞社の創刊130周年記念事業の一環で、広島国際文化財団の支援を受けた。サイトのアドレスは https://hiroshima75.web.app/

(2022年1月3日朝刊掲載)

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