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ジュノー博士が眠る地 スイスで芽吹け 被爆アオギリ 22日植樹式

 被爆直後の広島に大量の医薬品を届けたスイス人医師、マルセル・ジュノー博士(1904~61年)の墓がある同国ジュネーブ郊外のジュシーで22日、被爆アオギリ2世の植樹式がある。被爆地広島から、ジュノー氏の遺族と親交がある県医師会の柳田実郎常任理事(60)=坂町=が出席する。

 現地の園芸技術学校の構内に植えるアオギリは2004年、ジュノー氏の遺族に柳田さんが被爆アオギリの種から育った苗を贈った。遺族が鉢植えで大事に育て、丈が1メートル以上になったことから植樹することになった。

 柳田さんは現在、舟入病院(広島市中区)副院長を務める。式典のスピーチで原爆被害の実態やジュノー氏への感謝を話す予定で、松井一実市長のメッセージも代読する。「アオギリを通して核兵器廃絶を求める人が増えてくれれば」と柳田さんは願う。

 式典にはジュネーブ国際機関日本政府代表部や赤十字国際委員会の代表者も出席する。

 ジュノー氏は1945年8月、赤十字国際委員会の駐日首席代表として来日。広島の被爆の惨状を知ると、15トンの医薬品を携えて9月、広島に入り、原爆被害の調査や負傷者の治療に尽くした。(田中美千子)

(2013年9月21日朝刊掲載)

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