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核戦争回避声明 「着実に核軍縮を」 NGOなど 一定に評価

 米中ロ英仏の核保有五大国首脳が核戦争回避を最重要責務とした共同声明を出したのを受け、日本の非政府組織(NGO)や被爆者団体からは4日、一定に評価する声が上がった一方で、「核軍縮の具体的な取り組みは何も掲げられていない」と厳しい受け止めも聞かれた。

 NGOピースボートの川崎哲共同代表(53)は同日夜、4度目の延期が決まったNPT再検討会議をテーマにしたオンラインイベントで共同声明に言及。「米中ロの対立が激しい中、同じ方向を向いたのは良かった」としながらも、声明が核兵器廃絶のプロセスに触れていない点を問題視。再検討会議で過去に交わした核兵器廃絶の合意を尊重し「着実に核軍縮を進めることこそ重要だ」と主張した。

 日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(89)は「核保有国は共同声明できれい事を言いながら実際には核軍拡を進めており、言動不一致だ」と批判。開幕予定だった再検討会議に合わせ、核兵器非保有国からの批判をかわす狙いもあると分析した。

 それでも田中氏は「声明を出した意味そのものは重い」と強調。「核戦争をしないのなら核兵器を捨て、廃絶への道を歩むべきだ」と訴えた。(樋口浩二)

(2022年1月5日朝刊掲載)

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