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核五大国声明を歓迎 松野氏 廃絶へ「機運高める」

 松野博一官房長官は5日の記者会見で、米中ロ英仏の核保有五大国の首脳が核戦争回避を最重要責務だとうたった3日の共同声明について、「核兵器のない世界の実現に向けた機運を高めるもので、わが国として歓迎する」と述べた。

 「核戦争に勝者はおらず決して戦ってはならないことを確認する」とした共同声明を核保有五大国が初めてまとめたことをまず評価。一方で、声明は核軍縮に向けた具体的なプロセスに言及せず、広島、長崎の被爆者たちが実効性をいぶかっていることに関しては「安全保障上の脅威に適切に対処しながら核保有国の関与を引き出し、現実的に核軍縮を前進させる道筋を追求することが重要だ。わが国はそうした役割を果たしていきたい」と訴えた。

 声明で核保有五大国は、核拡散防止条約(NPT)で課された核軍縮交渉義務を守ることも改めて強調している。岸田文雄首相(広島1区)が期待を寄せていたNPT再検討会議が新型コロナウイルスの影響で再延期されたことについて、松野氏は「残念だが、唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向けて全力で取り組む」と強調した。(樋口浩二)

(2022年1月6日朝刊掲載)

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