×

ニュース

在日米軍は厳格措置を 首相 2プラス2で要請指示

 岸田文雄首相(広島1区)は6日、米軍岩国基地(岩国市)など在日米軍基地周辺で新型コロナウイルスの感染者が急増している事態を踏まえ、7日にオンラインで開かれる日米安全保障協議委員会(2プラス2)の際、在日米軍の感染防止策で一層厳しい措置を求めるよう林芳正外相(山口3区)に指示したと明らかにした。後藤茂之厚生労働相ら関係閣僚と対応を協議後、官邸で報道陣の取材に答えた。

 在日米軍に対しては林外相が6日、ブリンケン米国務長官との電話会談で米兵らの外出制限などを要請している。首相は「2プラス2の機会を捉えて、より厳格な措置を早急に講じるよう米側にさらに強く求めることを指示した」と述べた。具体的な要請内容については言及しなかった。

 新変異株「オミクロン株」の市中感染の拡大は国内の米軍基地関係者の感染が引き金になっているとの指摘が自治体から相次ぐ。首相は「現時点で感染ルートを断定することは難しい」と判断を留保し、「米側の全ゲノム解析の結果を待って感染の原因、ルートを確認することが大事だ」とするにとどめた。解析結果の判明時期には触れなかった。

 在日米軍基地を通じて入国する隊員らの検疫は、日米地位協定などを根拠として米軍に委ねられている。政府は海外からの新規入国停止など水際対策を強化してきたが、地位協定が対策の「抜け穴」になっているとの批判もある。首相は地位協定の見直しを「考えていない」と否定した。

 岸田政権では初めて適用する「まん延防止等重点措置」について「オミクロン株の感染拡大の速さに鑑みて強化する」と述べ、知事の判断で酒類提供の停止を可能とする方針を示した。

 観光支援事業「Go To トラベル」の再開は当面見送る方向で、「感染状況を見極めた上で考えるべきだ。いま具体的に言える状況ではない」と述べた。再開は2月以降にずれ込む見込みだ。(樋口浩二)

(2022年1月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ