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広島市長 スピーチ公開 延期のNPT会議 ウェブで動画配信

 平和首長会議(会長・松井一実広島市長)は7日、延期が決まった核拡散防止条約(NPT)再検討会議で上映予定だった松井市長のスピーチ動画を平和首長会議のウェブサイトで公開した。核兵器の脅威をなくすための具体的な対応を盛り込んだ最終文書の採択を求める内容。NPTに加盟する全191カ国・地域にはスピーチ原稿を送った。

 動画は約5分間。松井市長は英語で、国家間の覇権争いが続く現状を「核軍拡競争へとつながり、多くの生命を危険にさらしている」と指摘。その上で参加国・地域の政府に「相違点を乗り越えた真剣な対話と、具体的な核軍縮・不拡散措置の進展を求める」と強調している。

 昨年10月に96歳で亡くなった広島県被団協の前理事長、坪井直さんたち被爆者が核兵器廃絶のために尽力し続けてきた足跡も紹介。22日に発効から1年を迎える核兵器禁止条約については「NPTと共存でき、補完し合う」との認識に立つことを促した。動画では、平和首長会議の副会長を務める田上富久長崎市長も核軍縮を進めるための最終文書の合意を訴えている。

 NPT再検討会議は、4日に米ニューヨークの国連本部で開幕予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて4度目の延期が決定。松井市長たちのスピーチ動画は現地時間の6日に上映される予定だった。(小林可奈)

(2022年1月8日朝刊掲載)

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