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レイノルズさんの思い刻む 被害者の痛みに寄り添い「私もまた被爆者です」 WFCが小冊子

 広島市西区のNPO法人ワールド・フレンドシップ・センター(WFC、山根美智子理事長)は、創設者の平和活動家バーバラ・レイノルズさん(1915~90年)の足跡を紹介する小冊子を日本語版と英語版で作成した。関係者は「被害者の痛みに寄り添い『私もまた被爆者です』との言葉をのこした彼女の思いを広く知ってほしい」と願う。

 レイノルズさんは51年、原爆傷害調査委員会(ABCC、現放射線影響研究所)に赴任した夫と広島へ移住。反核への意思を強めていった。冊子は、米国とソ連の核実験に抗議するヨット航海や、被爆者と各国で原爆の悲惨さを訴えた「世界平和巡礼」など、身をていした活動を伝える。

 また、65年に故原田東岷(とうみん)医師たちと創設したWFCが「人と人が出会い、話をすることで友情が生まれ、平和につながる」という信念に基づくことも記す。

 WFCは以来、世界から市民が集い、ここで活動する被爆者の体験証言を聞く場として親しまれてきた。ただ、新型コロナウイルス禍で広島を訪れる外国人観光客は激減している。高橋勝己理事(72)は「こんな時こそ平和発信を強めよう、との意思を冊子に込めた」と話す。

 「バーバラ・レイノルズとワールド・フレンドシップ・センター」は日英ともA5判8ページ。無料。☎082(503)3191。(金崎由美)

(2022年1月12日朝刊掲載)

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