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広島世界平和ミッション 被曝・紛争 実態学ぶ 露など3ヵ国訪問 第四陣が帰国

 ロシア、ウクライナ、ボスニア・ヘルツェゴビナで被爆体験を伝え、現地の被曝(ひばく)問題や紛争後の実態を学んだ広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第四陣メンバーが七日、一カ月余の旅を終えて帰国した。

 JR広島駅に着いたのは、被爆者の森下弘さん(74)=広島市佐伯区、「ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト」世話人副代表の小畠知恵子さん(52)=中区、ロシア人で広島大大学院生のアンナ・シピローワさん(28)=東広島市=と同行記者、カメラマンの五人。

 一行は、三カ国で学生や児童らに被爆体験を伝える「平和授業」を開いたほか、ロシアではかつての兵器用プルトニウム生産拠点「マヤーク核施設」周辺で被曝者らと会い、実態に触れた。ウクライナでは、旧ソ連時代の戦略ミサイル基地跡やチェルノブイリ原発などを視察。内戦が続いたボスニア・ヘルツェゴビナでは、復興途上にある市民らと交流した。

 小畠さんは「核や戦争の負の遺産を目の当たりにできた。被曝や戦争被害の実情を訴える人たちからは『ヒロシマなら分かってくれる』との思いも伝わってきた」と感想を話していた。

(2004年11月8日朝刊掲載)

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