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震災避難者に常設サロンを 広島の「アスチカ」 開設へ場所探し

 東日本大震災の被災地から広島県内に避難した人でつくる「ひろしま避難者の会『アスチカ』」が、広島市内で常設サロンの開設場所を探している。運営費は県共同募金会の助成を受けることが既に決まった。大震災から2年半が過ぎても生活再建は進まず不安とストレスが募る中、悩みを語り合い、古里の情報を交換する場にする。(鈴中直美)

 開設場所は、交通の便がいい賃貸物件を探している。県共同募金会が助成先を公募した「社会課題解決プロジェクト」に選ばれた。赤い羽根共同募金の新しい制度で、募金者が寄付先を指定できる仕組みを使い、来年1~3月末に寄付金を集める。目標は200万円。集まった金額に応じ、上乗せ分もプラスして助成を受ける。

 計画では、サロンは事務所も兼ねる。メンバー以外の避難者も自由に立ち寄り、同じ避難者や事務所のスタッフと子どもの教育や仕事などについて相談し、日々の悩みを吐き出せるようにする。古里の雇用や住宅、暮らしている市町の官民の支援などの情報も集まるよう工夫する。

 アスチカは昨年10月に結成した。岩手、宮城、福島などから避難し、広島や福山、呉、東広島などで暮らす約110世帯約300人が加わる。月1回、情報交換する交流カフェを中区の市社会福祉センターで開いている。

 かねて「月1回では仕事で行けない」「悩みを打ち明ける場がない」などの声が上がっていた。知人が少なく孤立を感じている避難者もいるという。

 福島県いわき市から子ども3人と広島市安芸区に自主避難している三浦綾代表(40)は「復興もまだまだで、避難者への支援も十分ではない。支え合って前向きな気持ちになれる拠点にしたい」と話している。アスチカ事務局Tel070(5677)0411。

(2013年9月24日朝刊掲載)

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