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元安川で発見の破片 ドームの一部と酷似 嘉陽さんら敷地内調査

 広島市中区の原爆ドーム近くを流れる元安川で、被爆時の爆風で吹き飛んだドームの破片を探している広島大大学院生の嘉陽礼文(れぶん)さん(35)=西区=が24日、市の許可を得てドームの敷地内で調査した。元安川の川底で見つけたコンクリート片と、ドームの窓枠や敷地内に落ちている破片の構造が似ていることを確認した。

 嘉陽さんは元安川で5~7月、コンクリート片を10個集めた。うち四つは縦横とも20センチ前後、高さ25~47センチの直方体。いずれも2枚のコンクリートをモルタルで張り合わせた3層構造で、鉄筋を通した溝が2本通っている破片もある。

 この日は、広島大大学院の学生たち計11人で調査に当たった。嘉陽さんが注目したのはドームの窓枠。3層構造で、鉄筋の直径も約3センチと、コンクリート片と一致した。

 嘉陽さんは「きょうの調査で、元安川で拾った破片はドームの一部と断定できるのではないか」と話した。今後は建築に詳しい広島大の研究者に鑑定を依頼し、一致すればドームを設計した建築家ヤン・レツルの母国チェコの大学に贈るという。(田中美千子)

(2013年9月25日朝刊掲載)

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