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連載・特集

広島世界平和ミッション ロシア編 冷戦の航跡 <7> 悪循環

 マヤーク核施設から西へ約十キロのキィシュティム市。市役所正面の電光掲示板が、大気中の放射線量を刻々と表示する。平和ミッション第四陣メンバーは、他の町ではめったに見られない光景に、住民の核への不安を感じ取った。

 核施設が稼働して半世紀余。周辺は放射能汚染の危険にさらされてきた。新たに今、核施設は核弾頭から出た放射性物質や国内外の原発から生まれた使用済み核燃料の受け入れを始めた。かつての「秘密都市」の住民は、今も核時代にほんろうされ続ける。

(2004年12月10日朝刊掲載)

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