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連載・特集

広島世界平和ミッション ロシア編 冷戦の航跡 <8> 頭脳流出防止

 平和ミッション第四陣メンバーは、吹雪のために閉鎖されたチェリャビンスク空港で一日足止めをくった。舞い戻ったモスクワでは、休む間もなく国際科学技術センター(ISTC)を訪問した。核軍縮、ソ連崩壊に伴って職を失った科学者らの国外流出防止など、軍事から民生への産業転換を促進するために設立された国際機関だ。日本の文部科学省から派遣された職員の温かい出迎えにほっとしたのもつかの間、メンバーは援助を受けるロシアの姿勢に再び疑問を膨らませた。

(2004年12月11日朝刊掲載)

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