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原爆症訴訟 議員立法で基金設立も

■記者 岡田浩平

 原爆症認定集団訴訟で、与党の被爆者対策プロジェクトチーム(PT)は1日、敗訴原告の救済を目的に含む基金設立の検討に入った。原告側が訴訟の一括解決の条件に掲げる敗訴原告を含む「全員救済」に厚生労働省が抵抗しており、議員立法も視野に入れ政治解決を探る。

 PT関係者によると、基金は被爆実態の調査研究や被爆者の福祉、国際協力などの事業推進を目的に政府主導で設立。敗訴原告には裁判を通じ被爆実態の解明に貢献したとして、基金から事実上の解決金を給付する。財源として民間の寄付を募るなどの案もある。

 訴訟をめぐっては、河村建夫官房長官が5月28日の東京高裁判決後に「一括解決する方向」で厚労省に解決案作りを指示した。厚労省案が原告団の要望と食い違えば、PTは議員立法を検討する。

 日本被団協の田中熙巳(てるみ)事務局長ら原告側はこの日、PTの南野知恵子座長、桝屋敬悟副座長、寺田稔衆院議員に面会。原告の要望にほぼ沿ったPTの勧告を受け入れ、早期解決を求めた。

(2009年6月2日朝刊掲載)

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