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広島世界平和ミッション 南ア・イランの体験語る 第一陣の津谷さん 中学で出前授業

 広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)第一陣で参加した広島市東区、薬剤師の津谷静子さん(49)が十五日、西区のノートルダム清心中で「出前授業」し、南アフリカ共和国とイランでの体験を語った。

 出席した二年生百八十一人は今年三月、折り鶴などをちりばめた平和メッセージを第一陣メンバーに託していた。津谷さんがそれらをヨハネスブルク(南ア)の私立校の児童・生徒に贈った様子などをスクリーンに映し出すと、生徒から喜びの声が上がった。

 津谷さんはイラン・イラク戦争(一九八〇―八八年)中、イラクの毒ガス攻撃で今も四万五千人余が肺がんなどに苦しむイランの実態を紹介。帰国後も続く被害者らとの交流を通じて「広島には被爆体験の継承とともに、世界の戦争被害者に希望を与える役割があると実感しました」と力説した。

 呉市の渡会美華さん(13)は「平和学習で十月に大久野島(竹原市)の毒ガス資料館に行ったけれど、イランの被害者の展示はなかった。世界の紛争についてもっと学びたい」と話していた。

(2004年12月16日朝刊掲載)

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