×

ニュース

広島世界平和ミッション 被爆者・会社員ら5人 第五陣 印パ訪問 24日出発

 広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第五陣メンバーが十三日、決まった。二十四日から二月十五日まで、カシミール地方の領有権などをめぐり核対峙(たいじ)するインド、パキスタンを訪ね、被爆の実態とともに、「平和と和解」のメッセージを両国の人々に伝える。

 メンバーは、被爆者で「ヒロシマ」を世界に伝える窓口を果たす「ワールド・フレンドシップ・センター」理事の岡田恵美子さん(68)=広島市東区▽アフガニスタンの難民支援などに取り組む「アジアの友と手をつなぐ広島市民の会」代表の渡部朋子さん(51)=同市安佐南区▽インド出身で市民平和活動にかかわる会社員のジェームス・ジョセフさん(48)=広島県海田町▽東広島市職員で平和と貧困、宗教紛争のかかわりに関心を寄せる中谷俊一さん(37)=同県本郷町▽広島修道大四年で紛争予防について学ぶ佐々木崇介さん(22)=広島市安佐南区=の五人。

 インドでは、ニューデリーなどで自国の核兵器保有を支持する人たちやガンジーの非暴力精神を受け継ぎ平和活動をする市民らと交流。カシミール紛争で負傷した元軍人らとの面会も計画している。

 「核の闇市場」が問題になったパキスタンでは、戦略研究機関の科学者らと懇談したり、市民との平和セミナーを開いたりする。ペシャワル郊外のアフガン難民キャンプも訪ね、支援活動に取り組む非政府組織などから、被爆地や日本ができる支援の方策を探る。

 岡田さんは「核保有支持者が多い両国では厳しい議論も予想されるが、相手の意見を聞いたうえで、被爆者として核兵器がなぜ絶対悪なのかをしっかり伝えてきたい」と話している。

 五人は、六十五人の応募者の中から選ばれた。

(2005年1月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ