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広島復興の原点 46年の地図 市が初展示

■記者 水川恭輔

 原爆投下の翌年に民間業者が発行した広島市の地図が1日、市公文書館(中区)で初めて展示された。現在の平和大通りや平和記念公園の予定地を記載。旅館、百貨店など当時の街並みも伝えている。7月24日まで。

 「広島観光案内社」が1946年12月に発行した市全域地図で縦55センチ、横75センチ。道路網や県庁、学校など公共施設のほか、旅館や百貨店の場所も分かる。

 復興に向けて計画されていた道路の位置も描いている。市が46年10月の「復興都市計画」に盛り込んだ平和大通りと、実現しなかったもう一本の「100メートル道路」のルートを記す。公園予定地として緑色の斜線で表示された「旧中島地区」は後に平和記念公園となった。

 公文書館が昨年6月に市内の男性から寄贈を受けた。所蔵する民間作成の同市地図では戦後最も早い時期の発行という。同館は「観光用とみられ旅館や店の名前が細かく記されている。当時の街並みと、市が構想した将来像が一つに合わさった貴重な地図」としている。新着資料展で平日の午前9時から午後5時まで。無料。

(2009年6月2日朝刊掲載)

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