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広島世界平和ミッション 第五陣インド入り 紛争帰還兵と対話

 広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第五陣は、最初の訪問国インドのデリーに到着した翌二十五日、カシミール紛争による負傷兵が暮らすデリー郊外の町を早速訪ねた。(デリー発 森田裕美)

 被爆者の岡田恵美子さん(68)=広島市東区=らメンバー五人は、パキスタンから侵入したイスラム教徒武装勢力に、インド軍が激しい掃討作戦を展開した一九九九年夏のカルギル事件で、左足を失った帰還兵の自宅を訪問し、カシミール紛争の実情に耳を傾けた。

 アフガニスタン難民支援などに取り組む市民団体代表渡部朋子さん(51)=安佐南区=は、「カシミール問題解決のため、かつて世界から救援を受けた広島の人間として、できることをしたい」と思いをはせていた。

 一行は二月五日までインドに滞在。核実験を実施した政府関係者や、ガンジーの非暴力・平和主義を引き継ぐ市民グループと交流する。

第二陣メンバーと韓国で交流 大邱の青年 広島研修

 韓国大邱市の非政府組織(NGO)大邱KYC(韓国青年連合会)の一行が、昨夏に交流した広島世界平和ミッション第二陣の協力で二十五日、広島市を訪れた。被爆の実態に触れ、朝鮮半島の被爆者支援などについて話し合う。

 「ヒロシマ平和の旅」として訪れたのは大学や高校教師、報道関係者、その家族ら三十六人。

 初日は原爆資料館で、高野和彦副館長の説明を受け、展示品を熱心に見た後、西区の郭福順さん(76)から証言を聞いた。爆心地から九百メートルで被爆した郭さんは「核を使う戦争は二度とあってはならない」と母国から訪れた若い世代に訴えた。

 KYCは「韓国のヒロシマ」と呼ばれる慶尚南道陜川郡を毎月訪れ、聞き取り活動をしている。李相旭会長(38)は「被爆地に来てみて想像を超える実態に身震いした。何ができるか考えていきたい」と話していた。

 二十七日まで、第二陣メンバーの案内で、平和記念公園にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑に参拝。韓国・北朝鮮にいる被爆者の支援に努める市民団体の代表者からも話を聞き、意見交換する。

(2005年1月26日朝刊掲載)

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