×

ニュース

米首脳ら参画に期待 寺田氏 賢人会議巡り講演

 岸田内閣で核軍縮・不拡散問題を担当する寺田稔首相補佐官(広島5区)は20日、岸田文雄首相(広島1区)が施政方針演説で創設を表明した「核兵器のない世界に向けた国際賢人会議」に米国首脳らが参画するよう、近く来日するラーム・エマニュエル駐日米大使に働き掛ける考えを示した。超党派の国際軍縮促進議員連盟が開いた会合で講演した。

 現職米大統領として初となるオバマ氏の被爆地広島訪問の実現には、当時のキャロライン・ケネディ駐日米大使が重要なパイプ役を担ったと指摘。「エマニュエル氏が着任するやいなやコンタクトをとる」と述べ、年内に被爆地広島で開く国際賢人会議の初会合にはバイデン大統領やオバマ氏が参画するよう交渉を始めるとした。

 新型コロナウイルスの感染拡大で今月予定された核拡散防止条約(NPT)再検討会議は再延期されたが、核軍縮論議の停滞は許されないと強調。事態打開は「政治の強い意志なくしてできない」と、現職、元職を含めた各国の政治リーダーの関与を求める国際賢人会議の意義を説いた。

 国際軍縮促進議連は与野党の40人でつくり、元ジュネーブ軍縮大使の猪口邦子自民党参院議員が会長を務める。この日の会合では、今夏開催の方向となっているNPT再検討会議で有意義な成果文書を採択することなど3項目を首相に求める要望書をまとめた。(樋口浩二)

(2022年1月21日朝刊掲載)

年別アーカイブ