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連載・特集

広島世界平和ミッション ボスニア・ヘルツェゴビナ編 紛争を超えて <2> 唯一の脱出口 

 谷間に茶色の屋根が連なる。平和ミッション第四陣は、サラエボを囲む丘の一つに立った。平たんな市街地が手に届きそうなほど近い。市民運動家の小畠知恵子さん(52)は「広島の己斐に風景が似とるねえ」と懐かしそう。紛争中はセルビア人勢力が四方の丘を占拠。市街地に砲弾の雨を降らせた。当時、五十万人余のサラエボ市民が市外へ逃げ出せるルートは一つ。サラエボ空港下をくぐる「トンネルB」だけだった。メンバーはその現場を訪ねた。

(2005年2月8日朝刊掲載)

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