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県・市「黒い雨」無料相談 1日から3市5町に窓口 広島市内は計7回の巡回

 米国による広島への原爆投下後に降った「黒い雨」について、広島市と県は10月1日、国の援護対象区域外での被害を訴える人を対象に、無料相談を始める。広島市と周辺2市5町に窓口を設け、保健師が健康不安などの相談に対応。広島市では来年2月までに計7回の巡回相談会も開く。相談記録は援護対象区域の拡大に向けた要望に活用する。(田中美千子)

 広島市は、保健師を含む専任職員2人を配置。事前予約を30日から受け付け、市役所3階の原爆被害対策部援護課で相談に応じる。廿日市と安芸高田の2市、府中、海田、坂、安芸太田、北広島の5町も1日から、保健師による相談の受け付けを始める。

 より専門性の高い相談が必要と判断された人は、放射線医療の専門医や臨床心理士による相談会にも参加できる。市と県が中区内に会場を設け、月1回程度開く予定でいる。

 これとは別に、広島市では安佐南区、安佐北区、安芸区、佐伯区の計7カ所で巡回相談があり、保健師や医師が対応。予約すれば、どの市町からも参加できる。

 県と広島市、周辺7市町は、援護対象区域を現在の約6倍に相当するエリアに広げるよう国に要望している。今回の相談は区域外とされている場所で雨を浴びた人が対象。費用は全額国が負担する。

 27日は「佐伯区黒い雨の会」が区内で会合を開き、広島市職員から無料相談の説明を受けた。参加者から「相談だけでは解決にならない」「援護区域拡大を実現して」との要望が相次いだ。市原爆被害対策部の杉浦信人調査課長は「引き続き、国に援護対象地域の拡大を求めていく」と話していた。

<広島市と県による巡回相談会>

実施日      申込締め切り日   会場
10月24日   10月17日     安芸区総合福祉センター
11月14日   10月31日     安佐北区総合福祉センター
11月21日   11月 7日     湯来南公民館(佐伯区)
12月 5日   11月21日     佐伯区役所別館
12月12日   11月28日     安佐南区総合福祉センター
 1月16日   12月26日     安佐公民館(安佐北区)
 2月 6日    1月23日     安公民館(安佐南区)

 予約は広島市原爆被害対策部Tel082(504)2613=平日午前9時~午後5時

(2013年9月28日朝刊掲載)

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