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黒い雨救済指針 11疾病削除要請 被団協、改正案巡り

 日本被団協は21日、広島原爆の「黒い雨」の被害者救済を巡る要請書を岸田文雄首相(広島1区)と後藤茂之厚生労働相に送ったと発表した。4月から新たな被爆者認定指針が運用されるのを前に、がんなど11疾病の発症を認定要件から外さない構えの国に再考を求めている。

 被爆者援護法はそもそも、特定の病気の発症を被爆者認定の前提としていないことを改めて指摘。昨年12月に厚労省が公表した認定指針の改正案で、がんや白内障など11疾病の発症を要件として残したことを「現行法を逸脱した明らかな違法行為だ」と批判し、撤回を求めている。

 疾病を要件とせず、原告84人全員を被爆者と認めた昨年7月の広島高裁判決を念頭に、「司法と行政の乖離(かいり)は異常で、乖離をなくすことは行政の義務だ」と指摘。被爆者援護施策については「原爆被害は放射能による健康被害だけではない。全ての被害者を対象にすべきだ」と訴えた。

(2022年1月22日朝刊掲載)

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