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不戦へ全力 40年の歩み 広島ユネスコ協 記念誌作り進む

 広島ユネスコ協会(会長・北川建次広島大名誉教授、広島市中区)が設立40周年を迎え、歩みを振り返る記念誌作りを進めている。高校生を巻き込んだ平和構築の取り組みや、平和記念公園(中区)で開いている不戦を誓う集いなど、最近10年間の活動を中心にまとめる。10月10日ごろ完成する。

 協会は1973年6月に設立。現在、広島市内を中心に98人のメンバーがいる。96年に世界遺産に登録された原爆ドーム(中区)の遺産化を求める署名集めや、原爆について学ぶ東京の若者たちの研修受け入れなど、地道に取り組んできた。

 記念誌はB5判、204ページ。4月から準備を進めてきた。40年の歩みを年表にまとめ、年3回程度発行している機関紙を10年分掲載する。被爆60年の2005年、広島に全国の高校生たち300人以上が集まり、世界平和や国際理解、地球環境などについて議論した研究大会の様子についても触れる。

 不戦の集いは00年から毎年、終戦の日の8月15日に平和記念公園で開催。「平和の鐘」を突いて核兵器廃絶を訴えている。参加した高校生の平和への思いとともに紹介する。

 編集責任者の藤川和康さん(68)=東区=は「これからの世界を担う若い世代に読んでもらい、平和のために何ができるのか考えるきっかけにしてほしい」と話している。

 表、裏表紙は、広島の高校生が描いた原爆ドームやハトの絵を採用。400部印刷し、広島市立図書館などに寄贈する。市販はしない。(増田咲子)

(2013年9月30日朝刊掲載)

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