×

ニュース

都、初の原爆追悼集会 被爆者団体の式典継ぐ

 東京都は29日、葛飾区の区地域産業振興会館で「原爆犠牲者追悼のつどい」を初めて開いた。都内の被爆者団体「東友会」が主催してきた式典を、慰霊碑が同区に移転されたのを契機に引き継いだ。

 遺族や被爆者、都議たち約160人が参加した。都の川澄俊文福祉保健局長が「五輪の東京開催の決定を機に、世界の他都市と手を携えて平和な世界の実現に全力を尽くす」との猪瀬直樹知事の式辞を代読。参加者は一人ずつ献花し、死没者の冥福を祈った。

 東友会は1965年、品川区内の寺院に原爆犠牲者慰霊碑を建立し、同年から追悼式典を続けてきた。被爆者の高齢化に伴い、もっと身近に参拝できる場所として、都の協力で昨年10月に葛飾区内の区立公園に碑を移転。併せて、式典の主催も都に切り替えた。

 東友会の山本英典理事(80)は「半世紀近く続けてきたが、画期的だ。行政が責任を持って開いてくれれば、費用面の心配もなく、ありがたい」と話していた。(藤村潤平)

(2013年9月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ