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広島世界平和ミッション 「冷戦期の無駄を痛感」 第四陣が広島で報告会

 広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第四陣は二十日、広島市中区の市女性教育センターで報告会を開いた。メンバー四人はロシア、ウクライナ、ボスニア・ヘルツェゴビナの三カ国で取り組んだ交流や平和授業の内容を、参加者約六十人に伝えた。

 市民団体世話人副代表の小畠知恵子さん(52)=広島市中区=は、現地の写真を映し出しながらロシア・ウラジオストク近郊の退役原子力潜水艦の解体の実態や、ウクライナのかつての核ミサイル基地を紹介。「冷戦時代の壮大な無駄をこの目で確かめてきた。同じ過ちを繰り返さないためにも、自らの税金を軍事費に使わせないよう声を上げよう」と呼び掛けた。

 ロシア出身で広島大大学院生のアンナ・シピローワさん(28)=東広島市=は、母国のチェリャビンスク近郊のマヤーク核施設周辺で、汚染された川の流域に暮らす住民との出会いに触れ、「健康を脅かす核問題は、人権問題でもある」と指摘した。

 民族紛争の傷跡が残るボスニアで被爆体験を語った森下弘さん(74)=広島市佐伯区=は「地域や民族が抱える問題に心から関心を寄せることが平和活動の出発点」と力説した。

 報告会は「広島世界平和ミッション」を支える市民の会が開催。第四陣は昨年十月初旬から一カ月余、三カ国を巡った。

(2005年2月21日朝刊掲載)

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