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ハーン博士の孫 ヒロシマ訪問 慰霊碑に花 資料館も見学

「原爆投下 祖父は最もつらいと…」

 核兵器開発につながる核分裂反応を発見したドイツ人の化学者、オットー・ハーン博士(1879~1968年)の孫、ディートリッヒ・ハーンさん(67)が30日、広島市中区の平和記念公園を初めて訪れた。

 ディートリッヒさんは原爆慰霊碑に花を手向け、ピースボランティアの原田健一さん(68)の案内で原爆資料館を見学。原爆開発の歴史を伝えるパネルを熱心に見た。「祖父は生前、人生で最もつらかったのは広島、長崎への原爆投下を知った時だと話していた」と振り返り、「資料館に心を揺さぶられた。世界中の子どもたちに見てほしい」と話した。

 ハーン博士は、核分裂を発見したとして1944年にノーベル化学賞を受賞。戦後は平和活動を通し、核の恐怖を訴え続けた。ディートリッヒさんは祖父の遺志を継ぎ、88年にドイツで平和賞「オットー・ハーン平和メダル」を創設。ことし、秋葉忠利・前広島市長が受賞したのを機に、被爆地訪問を決めた。(加納亜弥)

(2013年10月1日朝刊掲載)

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