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坪井さんしのび 芸術展 広島市中区 ゆかりの作家が13点

 昨年10月に亡くなった広島県被団協の前理事長、坪井直さんの温かな人柄や核兵器廃絶への思いを伝える展覧会が、広島市中区のギャラリーGで開かれている。生前の坪井さんと関わりのあった県内外の芸術家ら4人と1組が、計13点を展示している。30日まで。

 西区の写真家石河(いしこ)真理さんたちが企画した。石河さんは約10年前に撮影した坪井さんのポートレート5点を出展。やさしくほほ笑む姿を捉えている。この撮影を機に、石河さんは被爆者の肖像写真を手掛けるようになった。

 東日本大震災の直後に坪井さんがファクスで送った「不撓(ふとう)不屈」の文字の展示も。東京を拠点とする芸術家集団「Chim↑Pom(チン↑ポム)」の作品で、福島の被災地にあった額縁に収めている。チン↑ポムは2008年、広島市上空に飛行機の煙で「ピカッ」と描いた表現が議論を呼んだ後、東京での個展に坪井さんを招待するなどした。

 坪井さんの半生を中高生たちがつづった冊子なども紹介する。中区の主婦吉本郁恵さん(70)は「核兵器のない世界を目指し、行動し続けた強い思いを感じる」と見入っていた。(福田彩乃)

(2022年1月27日朝刊掲載)

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