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米国人平和活動家レイノルズさん 功績を次世代へ

■記者 桑島美帆

 広島市西区のワールド・フレンドシップ・センター(WFC)は、創設者で米国人平和活動家のバーバラ・レイノルズさん(1915~90年)=写真=の功績を継承する取り組みを始めた。レイノルズさんが1975年に米ウィルミントン大(オハイオ州)に開いた平和資料センターと連携。広島や長崎で関係者をインタビューし、資料のデジタル化も進めている。

 5月中旬から8月初旬までの予定でWFCに滞在しているウィルミントン大4年のアビィ・プラット=ハリントンさん(22)が、生前のレイノルズさんを知る被爆者や支援者を訪問。WFCボランティアスタッフの車地(くるまじ)かほりさん=広島県坂町=や山根美智子さん=広島市南区=たちも協力し、インタビューをビデオ撮影している。

 さらに、レイノルズさんが書いた手紙や活動ぶりを伝える写真などを収集。WFCが保管している1965年の開設以来の資料についてデジタル化も図り、データベースづくりやサイトでの公開も検討する。

 レイノルズさんは1951年、原爆傷害調査委員会(ABCC)研究員だった夫と広島入りし、被爆者支援や平和運動に情熱を注いだ。1969年に帰国後も私財を投じて活動を続けた。

 今回の取り組みは、館長交代のため今年5月に帰国したWFC前館長のケント・スワイツアーさんがウィルミントン大に呼び掛けた。車地さんは「ヒロシマが世界に広まったのはバーバラさんの力が大きい。若い人に功績をしっかり伝えていきたい」と話している。

(2009年6月5日朝刊掲載)

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世界の平和博物館 ウィルミントン大学平和資料センター(米国オハイオ州)(08年12月 9日)

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