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劣化調査 入札不調 広島大旧理学部1号館 広島市、近く再入札

 広島市は1日、広島大本部跡地(中区東千田町)にある被爆建物、旧理学部1号館の劣化調査で、業者4社の入札価格がいずれも市の予定価格をオーバーし、入札が不調に終わったと発表した。耐震調査のニーズが東日本大震災後に全国的に増えたことが要因とみている。調査項目を一部変更して近く再入札する。

 市は、予定価格を事前公表していないが、予算額は750万円と発表していた。9月25日の入札には4社が参加。入札額は1300万~775万円で、市の予定価格をオーバーした。2社が辞退し、残る2社で同日、再入札。785万5千円と750万円で、ともに市の予定価格内に収まらなかった。

 旧理学部1号館は1931年の建築。鉄筋3階建て、延べ約8300平方メートルで、爆心地の南約1・4キロに位置する。調査は壁のコンクリートを複数抜き取って強度を測り、鉄筋の位置も調べる。市営繕課は今後の入札について「業者との価格の開きはわずか。調査に影響が出ない範囲で内容を見直す」とする。

 市は併せて、旧理学部1号館に隣接する3・8ヘクタールで、教育施設などの「知の拠点」づくりを進める民間事業者の応募状況も明らかにした。6月末時点で応募していた5者のうち1者が辞退した。市と広島大は、10月中に都市計画や財務の専門家たち5人の懇談会で意見を聴き、11月に事業者を決める。(岡田浩平)

(2013年10月2日朝刊掲載)

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