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締約国会議 夏に延期へ 核禁止条約 コロナ影響で2回目 被爆者、核軍縮の停滞懸念

 オーストリアの首都ウィーンで3月に予定されていた核兵器禁止条約第1回締約国会議が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されることが1日、分かった。今夏の開催を調整、具体的な日程は今後決める。延期は2回目。同会議前日にウィーンで計画されていた「核の非人道性に関する国際会議」もこれに合わせて再調整する方針。

 広島の被爆者からは核軍縮停滞への懸念や落胆の声が上がった。

 「感染の広がりを考えると仕方ないが、条約発効1年を迎えての盛り上がりがそがれるようだ」。広島県被団協(箕牧(みまき)智之理事長)の原田浩副理事長(82)は残念がった。核拡散防止条約(NPT)再検討会議も当初予定の2020年春から4度延期されたことも踏まえ、「できるだけ早く締約国会議を開き、核兵器廃絶の動きをつくり出してほしい」と願った。

 被爆国である日本政府は核兵器禁止条約に批准せず、締約国会議にオブザーバー参加することにも否定的だ。もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(77)は「日本政府は延期期間を利用して議論を深め、オブザーバー参加を実現してほしい。それが他国への波及効果を生む。私たちも粘り強く声を上げ続けたい」と強調した。(明知隼二、小林可奈)

(2022年2月2日朝刊掲載)

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