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中電島根原発の再稼働是非 議会・専門家らの意見聴取

 島根県議会は3日開いた総務委員会で、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の再稼働に向けて想定される手続きについて、執行部から説明を受けた。再稼働の是非についての最終判断は、中電が原子力規制委員会に申請する安全審査を了解した後、中電と国の要請があった場合に下すとの方針を両者で申し合わせた。

 委員9人が、県原子力安全対策課の山崎功課長から説明を受けた。山崎課長は安全審査の審査結果に対する判断と、再稼働の是非の判断は異なるとの考えを表明。審査結果を了解した後に「国や中電から再稼働の要請があれば、県議会、専門家、県民、立地・周辺自治体の意見を聞き判断する」と述べた。委員から異論はなかった。

 県は再稼働の判断材料として、安全審査でチェックされる原発の安全性以外の要素も必要との考えを示している。委員会終了後、防災部の大国羊一部長は一例として「電力需給を踏まえた再稼働の必要性」を挙げ、「要請前には国から説明があるだろう」との見通しを示した。

 中電は定期検査で停止中の2号機(出力82万キロワット)の安全審査を年内に規制委へ申請する見通し。総務委は11月開会の次期定例会で中電から説明を受け、申請手続きだけを了解する方針だ。(樋口浩二)

<島根県が想定する再稼働までの流れ>

中電が安全審査の申請内容を県と県議会に説明

県と県議会が申請を了解

原子力規制委員会の審査

原子力規制委から県と県議会に審査結果の説明

審査結果を判断

中電と国から再稼働の要請

県議会や専門家、県民、松江市、周辺自治体の意見を踏まえ判断

(2013年10月4日朝刊掲載)

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