×

ニュース

再生エネ利益19年間49億円 風力は昨年度初の黒字 島根県

 2012年7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を受け、島根県企業局は3日、県営の2風力発電所と3水力発電所の同制度による利益が、12~30年度の19年間で計49億円になるとの試算を示した。風力発電所の収支も12年度決算で初めて黒字化。同局は利益を再生可能エネルギー促進や省エネ対策などに充てる。(明知隼二)

 同制度で1キロワット時当たりの買い取り価格が1・5~3・2倍になったのを踏まえ、水力発電の増収分と風力発電の黒字分の合計を、買い取りが終わる30年度分まで試算した。12年度決算は1億4千万円で確定。13~28年度は各年度2億6千万~3億円、29~30年度は9千万円を見込む。

 制度導入で、特に09年2月に稼働した江津高野山風力発電所(江津市、出力2万700キロワット)の12年度収支が大幅に改善した。発電能力に対する発電量を示す設備利用率は同年度16・9%と前年度より1・4ポイント下がったが、純利益は1億1千万円で前年度比1億4900万円増額。故障が続いた隠岐大峯山発電所(隠岐の島町、同1800キロワット)の赤字分2400万円を補った。2風力発電所の合計収益は8600万円で、04年2月の隠岐大峯山稼働以来、初の黒字決算となった。

 同局は利益分を、再生エネルギーの利活用や省エネ対策の施策のほか、老朽化した水力発電所の大規模改修などに充てる方針。同局経営課は「国のエネルギー政策の方向性などを見極めながら検討したい」としている。

(2013年10月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ