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「福島」の完全救済要望 日弁連人権擁護大会が閉幕 広島

 広島市中区の広島国際会議場で開かれていた日弁連の第56回人権擁護大会は4日、福島第1原発事故による被害の完全救済を求める内容などの四つの決議を採択し、閉幕した。

 全国の弁護士約1200人が参加。放射能問題と憲法改正、格差社会の三つのテーマで議論した前日のシンポジウムの報告に続き、参加者の賛成多数で決議を採決した。

 原発問題に関する決議は「広島、長崎の被爆者の援護策は、被爆12年後にようやく制度化された」と指摘。それを踏まえ、内部被曝(ひばく)検査などを無償で受ける機会を速やかに保障すること▽健康影響を長期的に調査する体制を整えること―などを国に求めた。すべての原発の廃止も訴えている。

 改憲の発議要件を定めた憲法96条改正をめぐる決議では「時々の国家権力による恣意(しい)的な改正の道を開き、立憲主義の土台を揺るがす」として要件を緩和する改正への反対を主張。他の二つの決議では、国防軍創設に反対し、格差拡大の克服を目指すとした。(長久豪佑)

(2013年10月5日朝刊掲載)

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