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駐日米大使、広島訪問へ 首相初面会 核なき世界へ連携確認

 岸田文雄首相(広島1区)は4日、1月下旬に着任した米国のラーム・エマニュエル駐日大使と官邸で初めて顔を合わせた。「核兵器のない世界」の実現に向けた連携を確認し、バイデン大統領の今年前半の訪日実現への協力を要請。政府関係者によると、エマニュエル氏は被爆地広島を早期に訪問する意向を示し、首相は同行したいとの考えを示した。

 オバマ政権の首席補佐官を務め、当時副大統領だったバイデン氏と関係が深いことを念頭に、首相は「信任の厚い大使を迎えられたのは日米の絆の強さの象徴だ。一層の関係前進に活躍してほしい」と歓迎した。

 中国の覇権主義や北朝鮮の軍拡を踏まえ安全保障面の連帯強化を図るとともに、被爆地広島で年内開催を目指す「核兵器のない世界に向けた国際賢人会議」への各国首脳らの招致でも力を借りたい考えだ。

 前任のハガティ氏が2019年7月に離任後、空席だった日米のパイプ役。エマニュエル氏は新型コロナウイルス対策の隔離期間を置いてから本格的に動きだした。人への投資を掲げる首相の経済政策を「心から称賛する」と強調。「(高校時代は)二塁手でしたね」と水を向け、出身地のシカゴに本拠を置く米大リーグのカブスとホワイトソックスのユニホームを贈り、官邸側は首相の地元広島県の地酒を渡した。

 エマニュエル氏は報道陣に「首相の温かさとエネルギーに心を打たれた」と、会談の成果を口にした。(樋口浩二)

(2022年2月5日朝刊掲載)

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