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広島世界平和ミッション 「核と貧困 表裏一体」 第五陣が広島で報告会

 広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)第五陣の報告会が二十三日、広島市中区の旧日本銀行広島支店であった。核対峙(たいじ)するインドとパキスタンを巡ったメンバー五人が、参加者約八十人に、交流で得た思いなどを語った。

 インド出身で会社員のジェームス・ジョーセフさん(48)=広島県海田町=は「核兵器のない世界は五年十年で簡単に実現できないかもしれないが、辛抱強く取り組まなくてはいけないと実感した」と母国の旅を振り返った。

 自身が撮影したビデオなどを上映した東広島市職員の中谷俊一さん(37)=三原市本郷町=は「印パ両国では、核兵器開発と貧困の問題は表裏一体。反核・平和への取り組みが、貧困の解消にもつながるのではないか」と訴えた。

 広島修道大大学院生の佐々木崇介さん(22)=広島市安佐南区=は「旅を通じ、学校や集会で延べ約六千五百人にヒロシマの経験を伝えた」と報告。被爆者の岡田恵美子さん(68)=東区=は、核保有を肯定するヒンズー至上主義者との対話を例に「人間ひざを交えて話すことを続ければ和解も生まれる」と話した。

 市民団体代表の渡部朋子さん(51)=安佐南区=は、平和や核兵器廃絶を訴える活動が多くの共感を得た一方で、各地で「米国の核の傘にいる日本政府にこそ働きかけるべきだ」と指摘された体験を紹介。「相手に理解されるには、共通の土俵に立つことから始めなくてはいけなかった」と、伝える難しさも述べた。

 報告会は「広島世界平和ミッション」を支える市民の会が主催。同会場では、五月六日まで平和ミッションの活動をたどる写真展も開催されている。

(2005年4月24日朝刊掲載)

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