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広島世界平和ミッション 広島・長崎踏まえ議論を 第六陣国連訪問 NPT再検討で訴え

 米国滞在中の広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第六陣メンバー四人は二十八日午前(日本時間同日夜)、核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれるニューヨーク市の国連本部を訪問し、阿部信泰国連事務次長(軍縮担当)と再検討会議の行方などについて意見を交わした。(ニューヨーク発 岡田浩一)

 一行は四月一日から米国を巡り、米政府高官や学者、平和活動家らと意見交換した体験を報告。広島YMCA職員のスティーブ・コラックさん(50)=広島市佐伯区=は「今回の再検討会議の成果は期待できないとする意見が多くあった」と述べた。

 阿部氏は「包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効や核軍縮について議論したい非核保有国側と、二〇〇一年の米中枢同時テロ以後、北朝鮮やイランの核開発が発覚するなど不拡散を強調する核保有国側が対立して動きがとれない状態にある」と説明。「職員には成果が上がるよう、あきらめずに取り組もうと伝えている」と話した。

 またNPTからの脱退防止策や国際原子力機関(IAEA)の追加議定書に対する加盟国すべての批准実現などを目標に掲げた。コラックさんらメンバーは「広島・長崎の悲劇を踏まえた議論になるように」と阿部氏に訴えた。

松島さんが無事に帰国

 米国を平和行脚中に体調を崩し、ニューメキシコ州サンタフェ市の病院に入院していた広島世界平和ミッション第六陣メンバーで被爆者の松島圭次郎さん(76)=広島市佐伯区=が二十九日、無事広島に帰った。

 松島さんは今月一日に他のメンバーとともに広島を出発。原爆誕生の地であり、今も米核開発の拠点施設である「ロスアラモス国立研究所」を抱える州都のサンタフェ市民らに被爆証言し、同市議会の反核決議の採択実現に一役買うなど核兵器廃絶へのヒロシマの願いを訴え続けた。が、サンタフェ滞在中に腹痛を訴え、緊急入院していた。

(2005年4月30日朝刊掲載)

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