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庄原と中国・綿陽 友好写真展 計50点 民間主導 交流育む

 庄原市が中国四川省の綿陽市と結ぶ友好協力協定をきっかけに生まれた民間レベルの友好推進協議会が、2市の写真愛好家の作品を集めた展示会を庄原市内で開いている。新型コロナウイルス禍で人の往来が制限される中、新たな形で交流の裾野を広げる。(小島正和)

 西本町の商業施設ジョイフル2階で13日まで開催している「綿陽市・庄原市合同写真展」。昨年11、12月、綿陽市で先行して開かれた合同展の出品作から、2市25点ずつ計50点を選んで展示する。

 庄原の作品は、国営備北丘陵公園の冬のイルミネーション、西城川での投網の風景、帝釈峡の雄橋といった、里山の風景や雄大な自然を切り取っている。地元高校生が学校行事で躍動する一こまもある。

 協議会によると、綿陽は工業地帯と風光明媚(めいび)な山河が同居する人口約500万人の内陸都市。近代的な高層ビル群、水面が輝く田園、のどかな牧場の風景といった作品からは、対照的な二つの側面を持つ綿陽の姿がうかがえる。

 2市は1990年、農業分野での人的交流を背景に経済技術友好協力協定を締結。定期的に相互訪問し、行政、文化、スポーツなどの多分野で交流してきた。2019年、行政主体の交流を草の根にも広げようと、庄原市日中親善協会の会員を軸に約10人が協議会をつくった。

 協議会会長の宮崎良治さん(69)たちは同年に2回、綿陽を訪問。被写体にふさわしい豊かな自然を抱える2市の共通点に着目し、写真家同士の交流を育んできた。一方で庄原市が20年度に予定していた協定30周年の記念行事はコロナ禍で中止になった。宮崎さんは「これまで市民に伝わりにくかった2市の交流の歩みを、写真を通じ知ってほしい」と来場を呼び掛けている。

 入場無料。3月18~25日は市役所本庁舎ロビーでの開催を予定している。

(2022年2月8日朝刊掲載)

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