×

ニュース

被服支廠 県が有識者会議 耐震化など 来年3月までに意見集約

 広島市南区にある最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」を所有する広島県は7日、有識者の検討会議の初会合をオンラインで開いた。耐震化の実施設計や、国の重要文化財指定に向けた歴史的価値の調査で、来年3月までに意見をまとめてもらう。

 委員7人が出席した初会合では、会長に工学院大(東京)の後藤治理事長(建築史)を選んだ。後藤会長は「いろいろな意見を聞きながら価値を見つけ、損なわないように補強するのが大事だ」と述べた。

 討議では、委員から「鉄筋の腐食が気になる。雨漏りがあるような所は設計を待たずに応急処置した方がいい」などの意見が出た。建物の価値では「爆心地側のれんが部分がどのぐらいの温度を経験しているか調べられるはず」と、被爆の視点を踏まえた調査の重要性を指摘する声があった。

 今後は、来年3月末までに3回程度の会合を開く。(長久豪佑)

(2022年2月8日朝刊掲載)

年別アーカイブ