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国際交流奨励賞選ぶ ヒロシマ平和創造基金 2団体1人

 公益財団法人ヒロシマ平和創造基金(理事長・岡畠鉄也中国新聞社社長)は7日、国境を超えた相互理解や平和貢献に取り組む活動を表彰する本年度の「国際交流奨励賞」に、広島県内の2団体と被爆者1人を選んだ。近く、表彰状と10万円の奨励金を贈る。

 「一般社団法人広島ベトナム平和友好協会」(東広島市)は前身も含め20年以上、県内のベトナム人留学生や技能実習生の支援と平和交流に取り組んでいる。河内昌彦会長(69)は「両国は戦争の悲しみを共有している。コロナに負けず、オンラインで心のこもった交流を続ける」と意気込む。

 「Hihukushoラジオ」(広島市中区)は、旧広島陸軍被服支廠(ししょう)の保存、利活用を考える番組を制作しインターネットで配信。土屋時子さん(73)と若者たちが、関係者へのインタビューを交えて原爆詩人峠三吉や画家四国五郎たちゆかりの作家の作品を紹介している。土屋さんは「海外から反響も大きい。建物の保存につなげたい」と力を込める。

 個人では、佐々木禎子さんの同級生で、証言活動や漫画の自費出版などを通し「原爆の子の像」の建立秘話と被爆体験を伝えている川野登美子さん(79)=中区=が選ばれた。「幼少期の感動は生涯記憶に残る。一人でも多くの子どもたちに伝えていく」と話す。

 24回目となる今回は、計7件の応募があった。来月予定していた表彰式は、新型コロナウイルスの感染防止のため行わない。(桑島美帆)

(2022年2月8日朝刊掲載)

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