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ジュニアライターが「原爆」解説 兵庫の小・中生と交流

 平和な世界の実現に向けて取材や活動をしている中国新聞ジュニアライターが、平和学習のために広島を訪れた神戸大付属小(兵庫県明石市)の4年生、甲南女子中(神戸市東灘区)の2年生とそれぞれ交流した。原爆の被害や戦時中の生活について分かりやすく説明したり、平和への思いを話したりした。(二井理江)

被爆アオギリや「ゲン」紹介 積極的に質問も

 広島市東区のホテルであった神戸大付属小4年76人との交流では、高校1、2年のジュニアライター6人が「佐々木禎子さんと折り鶴」「原爆絵本」「核抑止論」などのテーマをそれぞれが設定。興味を持って集まった児童に説明した。

 「被爆アオギリ」を担当した高校1年の了戒友梨さん(16)は、平和記念公園(中区)にあるアオギリを紹介。生きる勇気のシンボルとして、アオギリがテーマになった絵本を見せたり、市内の小中学校などで歌われている「アオギリのうた」を聞かせたりした。

 了戒さんは「広島には、平和を発信していくさまざまな取り組みがあります。皆さんも、ここで見て、聞いて、考えて、友達や家族に伝えてください」と呼び掛けていた。

 高校2年の神安令君(17)は「『はだしのゲン』と原爆」について話した。作品が作者の故中沢啓治さんの体験に基づいている点を、家族構成や被爆状況を対比させながら説明。児童からは「中沢さんはいつごろから『はだしのゲン』を描き始めましたか」「いつ描き終わったんですか」などの質問が出ていた。

 村瀬未羽さん(9)は「実際にアオギリのうたを聞かせてもらって楽しかった。高校生の人が平和をつなげていっている気持ちを、自分もつなぎたい」。「学童疎開と学徒動員」について説明した高校1年の河野新大君(16)は「10人くらいのグループだと積極的に質問も出るし、僕も当時の様子をしっかり伝えられた」と手応えを感じていた。

 同小の花畑一吉・副校長(54)は「年が近い『お兄さん』『お姉さん』の話だと、平和に対する思いも、すっと子どもたちの胸に入ったようだ」と喜んでいた。

活動で学んだこと伝える

互いに質問 思い新たに

 甲南女子中の2年生38人と中学1、3年のジュニアライター6人は、広島市中区の中国新聞ビル会議室で交流。3グループに分かれて、ジュニアライターの活動や平和学習について意見交換した。

 甲南女子中の生徒が「ジュニアライターの活動を通して学んだことは何ですか」と質問。ジュニアライターの中学3年、中原維新君(15)は「被爆者に直接話を聞くことで、情景が具体的に分かって核兵器を使うべきではない、と強く感じた」と答えた。

 「広島に来て学んだことは」との質問に、甲南女子中の生徒たちは「家族や友達といられる今の生活に感謝しないといけない」「これから生まれてくる、原爆について知らない人たちに平和の大切さを伝えたい」と話していた。関西弁と広島弁の違いや学校での平和学習の内容に関する話も出ていた。甲南女子中の佐藤澄佳さん(14)は「年齢は同じくらいなのに平和について取材、発信していてすごいと思った。私も平和についてもっと勉強したい」と話していた。

(2013年10月7日朝刊掲載)

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