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連載・特集

広島世界平和ミッション 米国編 第1部 アフター9・11 <5> 見えない傷

 平和ミッション第六陣一行は、ニューヨークのブルックリン・フレンズ校を訪ねた。高校生でつくる「平和と社会活動委員会」が図書館で開いた平和授業には、二十人が集まり被爆証言などに耳を傾けた。一人は米中枢同時テロ発生時に、世界貿易センターの近くに住んでいた。今も飛行機音に身がすくむ。別の生徒は父親の友を失ったと教えてくれた。集まった若者たちはつらい記憶を引きずりながらも「暴力の連鎖を断ち切るために、何かをしなければ」と自問を繰り返していた。

(2005年6月3日朝刊掲載)

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