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原発存廃「国民が決める」 菅元首相がシンポに出席 日弁連人権擁護大会

 放射能問題をテーマにしたシンポジウムに出席した菅直人元首相は、壇上で弁護士のインタビューに答え「原発事故をなくすのはある意味で簡単。原発をなくせばいい。なくすかどうか国民が決めればいい」と語った。

 菅氏は、福島第1原発事故の一報を受けた時の心境について「背筋が寒くなる思いだった」と振り返った。さらに東京電力の幹部に「(現場からの)撤退はあり得ない。60歳すぎの者が率先して現場へ行くような姿勢でやってもらいたい」などと伝えたことも明かした。

 事故発生時の情報公開に不備があったとして謝罪する場面も。住民の避難の際に緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の活用が遅れたことに触れ、「経済産業省原子力安全・保安院から『こう活用すればいい』という説明はなく、私もシステムを詳しく知らなかった」と説明。「結果として活用が遅れたことは申し訳ない」と述べた。

 菅氏は、福島第1原発事故をめぐり、業務上過失傷害などの容疑で告発されたが、9月9日に不起訴処分となっている。(今井直樹、長久豪佑)

(2013年10月4日朝刊掲載)

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