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旧日銀広島支店 多彩なイベント NPO企画、14日開幕 情報誌も発行

 広島市の重要文化財で被爆建物の旧日本銀行広島支店(中区袋町)で14日、月替わりの文化イベントが開幕する。市の委託を受けたNPO法人ひろしまジン大学(中区)が、来年3月まで多彩な無料イベントを企画。行事予定を盛り込んだ情報誌を発行する。(田中美千子)

 第1弾は、今月14~24日の企画展「広島職人博覧会」。市内や近郊を拠点にする20~40代の職人約20人が、若い感性にあふれた革細工や洋服、家具を出展する。11月以降はアート作品の展示会や映像作品の上映会が続く。

 ひろしまジン大学が今月1日に発行した情報誌「ヒロシマ・エクサイト」10月号はA4判のカラー4ページで、企画展に出品する作家のインタビュー記事などを載せた。3月まで毎月2千部発行し、公民館やカフェで無料配布する。

 広島市は旧日銀広島支店を「市民主体の芸術・文化活動の発表の場」と位置付け、11年度から毎年、下半期の催しをプロデュースする団体を公募。ひろしまジン大学が請け負うのは2年連続となる。

 ひろしまジン大学は、地域をキャンパスに誰でも参加できる生涯学習の場として2010年に設立された。学長の平尾順平さん(37)=中区=は「旧日銀広島支店は『復興のシンボル』にふさわしい。人が集い、しっかり活用される場にしたい」と話す。

<旧日本銀行広島支店で予定されているイベント>

会期        イベントのタイトルやテーマ  概要
10月14~24日 広島職人博覧会        若手職人の作品紹介
11月15~21日 広島と映像           映像作品の上映
12月13~19日 ヒロシマとフクシマ       アート作品の展示
 1月17~27日 まちづくりとアート       市中心部での文化イベント紹介
 2月14~24日 地域資源とアート       若手アーティストの作品紹介
 3月14~24日 広島と学び           ワークショップや講義

旧日本銀行広島支店
 1936年完成。外装が石張りの鉄筋地上3階、地下1階で、延べ約3210平方メートル。爆心地の南東約380メートルに位置し、窓枠や欄干が吹き飛ばされ内部も大破。職員たち約20人が亡くなった。被爆2日後に業務を再開し、92年まで営業した。市は2000年、重要文化財に指定。日銀は市に土地と建物を無償貸与し、国重文に指定されれば無償譲渡する方針だ。

(2013年10月9日朝刊掲載)

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