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連載・特集

広島世界平和ミッション 米国編 第2部 反核の輪 <3> 原爆生んだ地

 頂上が平らな台形の丘、まばらに生える低木―。西部劇さながらの雄大な原野が車窓を流れる。平和ミッション第六陣一行は、ニューメキシコ州の州都サンタフェ市を出発。広島・長崎に投下された原爆が造られ、今も核兵器開発の中核を担うロスアラモス国立研究所を目指した。道中、いつもは陽気な被爆者の松島圭次郎さん(76)は、終始無口だった。表情も険しい。手には原爆犠牲者を弔うために日本から持って来た数珠を固く握りしめていた。

(2005年6月10日朝刊掲載)

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