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岩国市 2.0%増680億円 業務のAI活用推進 22年度予算案

 岩国市は15日、2022年度当初予算案を発表した。一般会計は21年度比2・0%増の680億2千万円で4年ぶりのプラス編成となった。「ウィズコロナ」の暮らしを見据え、情報通信技術(ICT)の推進や、安全安心の施策に力を入れる。(有岡英俊)

 歳出は、電子申請を拡大し、各種業務で人工知能(AI)の活用を推進する事業に2100万円を充てる。普通建設事業費は2・3%増の73億6500万円。JR南岩国駅前の広場整備などに2億1100万円を計上した。横山地区の新博物館建設の基本設計にも取り組む。

 歳入は、米軍岩国基地の負担に伴う国の補助金、交付金の総額が15・8%増の59億5千万円。うち、21年度末で期限を迎える再編交付金に代わる新たな交付金は13億4千万円を見込む。

 市税は回復を想定し3・0%増の182億9200万円を計上する。市債発行は36・6%減の40億900万円で、22年度末の残高は629億2600万円を見込む。財政調整基金は8億2300万円を取り崩し、22年度末の残高は71億4700万円と見通す。

 9特別会計と合わせた当初予算案の総額は1・9%増の1038億5100万円となる。

 市は同日、21年度一般会計補正予算案も発表した。コロナ禍の影響を受けた市観光協会が運航する錦帯橋遊覧船への補助費などを盛り込み、全体では14億600万円の減額補正となる。22日開会予定の市議会定例会に提出する。

<主な新規事業>

乗り合いタクシー運行      1200万円
移住希望者向けのお試し住宅整備  900万円
英語交流センター運営      4200万円
不育症検査治療費支援       200万円
サテライトオフィス活用促進    600万円
水中ロボットフェスティバル開催  200万円
小中学校のトイレ改修      2900万円

15.8%増59億円見込む 基地関係の国補助金・交付金

 岩国市が2022年度一般会計当初予算案に盛り込んだ、米軍岩国基地関係の国の補助金や交付金は21年度比で15・8%増となる計59億5千万円だった。21年度末で終了する在日米軍の再編交付金に代わる新たな交付金を13億4千万円と見込み、JR岩国駅西側への図書館機能を核とした複合施設の整備など13事業に活用する。

 新たな交付金の具体額について、国から正式な通知は市にないものの、15年間で総額201億5100万円だった再編交付金と同規模の支給があると想定した。岩国駅西側の複合施設の計画策定費3500万円の9割を賄う。

 このほか、3月にオープンする岩国駅東側の「英語交流センター」の運営費に4200万円、横山地区の浸水被害を防ぐポンプ場改築に向けた設計などに5千万円を充てる。

 他の基地関係の国の財源を活用した事業は次の通り。

 黒磯地区の国立病院機構岩国医療センター跡地への福祉交流拠点の整備(6億9800万円)▽市漁協の藤生荷さばき施設改修への補助(3億8400万円)▽小中学生の給食費の無償化(5億7700万円)(永山啓一)

(2022年2月16日朝刊掲載)

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